2004/10/14(木)日本シリーズ展望(はてなプロ野球’04)

2004/10/14 23:34

 いよいよ明後日から日本シリーズが始まります。ライオンズが勝てば12年ぶり、ドラゴンズが勝てば50年ぶりの日本一だそうです。ドラゴンズが半世紀も日本一から遠ざかっているということで、今年もまたライオンズが悪役にされそうですね。まぁ、もう慣れましたけど。あはは。でも、50年ぶりと騒いでいいのは50年間応援し続けてきた方だけだと思いますよ。

 ところで、その日本シリーズについて、「今回は対戦する両チームのスタイルが似ている」という意見がありますが、私はそうは思いません。ドラゴンズの野球は「1点をもぎ取ってそれを守り抜く」スタイルですが、ライオンズは「ピッチャーが3失点くらいで我慢している間に4点を取る」野球です。全然違うと思うのですが。

 それから、ライオンズの守備が堅いとか言っている解説者は、きっとプレーオフしか見ていないに違いありません。以降その人の言うことは聞き流したほうがよろしいかと思います。あの三遊間を一年間見続けたら、堅守なんて口が裂けても言えないはずですから。

 さて、日本シリーズではセ・パのルール、環境などの微妙な違いにより、普段通りの野球ができないケースが多々あります。今回目立ちそうなのはDH制の有無、使用球の違い、ストライクゾーンの違いといったところでしょうか。それぞれについて、私が思うところをまとめてみたいと思います。

□ DH制

 例年の日本シリーズと違い、今年はDHの有無でオーダーがガラリと変わることはなさそうです。

 ライオンズに関しては、ナゴヤドームでは貝塚を外して、それ以降の選手の打順を上げるだけでしょう。貝塚が外れるのは確かに痛いですが、それが致命傷になるほど大きな穴というわけでもありません *1

 一方のドラゴンズも、オーダーが劇的に変化するようなDH要員はいないような気がします *2 。ただ、9番に野手が入ることになるので、下位打線から荒木、井端に繋がる攻撃パターンができるのがちょっと怖いです。

□ 使用球

 ナゴヤドームの使用球はサンアップ製のいわゆる「飛ばないボール」、西武ドームの使用球はミズノ製のいわゆる「飛ぶボール」です。

 長打力では圧倒的に上を行くライオンズ打線ですが、さすがにナゴヤドームでは一発が減ってくるでしょう。特に中島や貝塚といった中距離ヒッターは大きく影響を受けそうです。ある程度の攻撃力低下は覚悟しなければいけないと思います。ただ、カブレラの場合は上段が中段になるだけでしょうし、むしろ天井に当たる危険性が減ってプラスに働くかもしれませんが。

 一方、西武ドームの試合でドラゴンズの選手が普段通りのプレイができるか、この点にも注目すべきだと思います。今年のドラゴンズはホームで貯金20を稼いだのに対し、ビジターでの貯金はわずかに3です。この成績差の中にボールの影響がどれだけあるかはわかりませんが、サンアップ以外のボールではドラゴンズの持ち味がスポイルされる可能性は充分にあると思います。というか思いたいです。

□ ストライクゾーン

 一番軽視されている違い、しかしおそらく一番大きな違いがストライクゾーンではないかと思います。

 パ・リーグのストライクゾーンは信じられないくらい狭いです。ベースをかすったくらいではストライクにはなりません。ベースの上を完全に通過したとしても、それが逆球であれば球審の手は上がりません。しかも試合中になぜかストライクゾーンが移動します。初めて見た人は驚くと思いますよ、これ。この変則ストライクゾーンにドラゴンズバッテリーがどこまで我慢できるでしょうか。

 逆に、ライオンズ投手陣がセ・リーグの広いストライクゾーン *3 によって好成績を上げる可能性もあると思います……が、ゾーンをいっぱいに使えるピッチャーなんて豊田くらいしかいないような気がしてきました。残念。

 ちなみに、1、3、5、7戦はセの審判、2、4、6戦はパの審判が球審を務めるそうです。

*1:しかし、もしカブレラが怪我の影響で守備につけず、DHでしか出場できない場合は……。

*2:気がするだけです。私がしているのは、あくまでも数字上でのお話なので。

*3:というか、普通のストライクゾーン。