2009/08/15(土)CSS勉強会議事録

2009/08/15 22:55

世間では有明漫画祭りのようですね。紅玉賢者見習いの私には縁のないイベントですが、参戦される方々のご健闘をお祈りします。って、残りは明日あと一日だけですから、遅すぎましたかね。

で、私は私で友人たちとCSSについて熱く語り合ってきました。真面目すぎる!

友人の中の一人に、まったく見えないわけではないものの、ディスプレイの文字が読めないくらい視力の弱い人がいて、彼はWebを「見る」のではなく、音声ブラウザによる読み上げで「聞いて」います。障害があるというと生真面目な人であるというイメージ、先入観がある人もいらっしゃると思いますが、彼はそんなステレオタイプに当てはまらない非常に残念な人間で、どこに出しても恥ずかしくないくらいの声優ヲタです。

その彼が言うには、「メーカーによるブラウザへの聴覚スタイルシートの実装と、Web製作者による聴覚スタイルシートに配慮したページデザインの普及が遅れているのは大問題」とのことでした。確かに、CSSの仕様上は聴覚メディアに関する指定ができるようになってはいますが、現実問題としてブラウザの実装がそこまで追いついていませんし、そもそもページの製作者側では音声のことをほとんど意識していません。

ブラウザの実装側の話はわれわれではどうしようもありませんが、Web製作の問題はわれわれで解決できるかもしれません。現在のCSSの仕様でできることを確認してみましょう。

まず、CSSにはvoice-familyというプロパティがあり、そこでmale、female、childを指定すれば、それぞれ男性の声、女性の声、子供の声で読み上げることができます。また、ボイス名を直接指定することで、そのボイスがインストールさえれていれば、その声で読み上げることもできます。

<p class="tacos">「割れ目がこすれて気持ちいいじょ」</p>
p.tacos {
    voice-family: "釘宮理恵", female
}

インストールされていれば釘宮ヴォイスで、されていなければ女性の声で読み上げられます。完璧だ!

……と思ったのですが、ちょっと待ってください。次の例を見てください。

<p class="shana">「うるさいうるさいうるさい!」</p>
p.shana {
    voice-family: "釘宮理恵", female
}

CSS上は問題のない指定です。しかし、タコスと同じ読み上げ方をするというのはちょっと違和感がありませんか? 困りました。

既存の聴覚スタイルシートにはspeech-rate、pitchなどのプロパティがあり、読み上げの速さや高さを指定することはできます。しかし、きめ細かすぎて「こんな感じ」という直感的な指定をするのは難しいです。

周波数や1分間の単語数の指定ではなく、「元気っ娘ぽい声」「ツンデレっぽい声」「アホの子っぽい声」という漠然とした指定ができればいいんですけどね。そのためのプロパティの導入、もしくは既存のプロパティに対する拡張が望まれます。

……俺たちはW3Cに謝るべきだと思った。