2013/12/11(水)スポーツと統計

2013/12/11 23:03

スポーツと統計に関した面白い記事を2つ見かけました。

2013年度J1におけるお金と勝ち点の相関性 - pal-9999のサッカーレポート

相関係数0.518という数字は人によって評価が分かれそうです。私が大学で受けた授業では0.4~0.7は「かなりの相関関係がある」と習いましたが、先生や教科書によっては「やや」とか「弱い」とか言うかもしれません。とはいえ、無相関であると言う人はいないでしょう。やはり勝つためにはお金を出さないといけないのですね。散布図を見ると、単純な線形従属ではなく、曲線のほうが当てはまりが良さそうに見えますけど。

以前読んだ『データサイエンティスト養成読本』というムックに、2011年のJ1の順位と、各チームのFW、MF、DF、GK、監督の年俸の分析の記事がありました。その記事では、監督の年俸を上げると逆に順位が下がるという結果が出て、思わず笑ってしまいましたw リンク先の記事を面白いと思った方は楽しめる内容だと思います。

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もう一つは野球のお話です。

なんJ PRIDE : 【野球】打率・本塁打は、運でどこまで上下するか検証した

大松「これは正規分布のシミュレーションをしただけで何の検証にもなっていないぞ」

……というツッコミを入れたくはなりますが、実際の確率分布をイメージしやすい形で見せるという意味で、とても素晴らしい実験だと思います。

発展系としては、確率を少しずらした選手、たとえば29パーセントの確率でヒットを打つ選手、28パーセントの確率でヒットを打つ選手……を登場させ、それぞれの結果の関係をまとめると面白いかもしれません。必ずしも確率(野球的な見方で言うと「実力」)どおりに順位が決まるわけではない、ということがわかりますし、どのくらいの差ならば容易にひっくり返るのかということも目に見えてわかります。

スポーツと統計の関連というと、いろいろと式をこねくり回してよくわからない指標を作る、というイメージもありますが、こういった高校レベルの確率・統計が原点になっているんですよね。どちらも楽しい内容でした。