2014/06/05(木)管理野球とは何なのだろうか
伊原さんが目指していたのはどんな「管理野球」だったのでしょうか。
伊原監督が無期限休養 管理野球浸透せず - プロ野球ニュース : nikkansports.com
管理野球というのはかなり漠然とした言葉です。文脈によって、以下の二つのどちらの意味を持つかが変わってきます。
1. 選手をチームというパズルのピースとして「管理」する
2. 選手その生活やスタイルを「管理」する
ライオンズの名将と言われた広岡さん、森さんの野球は、ともに「管理野球」と呼ばれました。しかし、その実態は大きく異なっています。
広岡さんは上記の1、2を兼ね備えたタイプです。彼の管理の範囲は選手の食生活にまでおよびました。選手に対して肉食を制限し、そのくせ自分はなぜか痛風になるのが広岡流管理野球です。
森さんは選手の適材適所を見極め、徹底した分業化を進めました。そういった意味では広岡さん以上に厳しかったと言えるでしょう。しかし、その管理は上記の1の範囲にとどまっていました。
では、伊原さんが目指していた管理野球はどちらなのでしょうか。おそらく、両方を管理することを目指していたのでしょう。しかし、肝心な1のほうができていなかった。解説者としてライオンズを見続けて、二軍の試合にまで足を運んでくれていたのに、なぜ選手の能力を的確に把握することができなかったのか。とても残念でなりません。
ここ何年かの渡辺監督の野球がぬるかったのは事実です。そこを締め直してほしいと多くのファンが願ったのも事実です。しかし、西武鉄道の初乗り料金を覚えさせ、ズボンの裾を上げさせ、似合っている外国人選手までヒゲを剃らせることに何の意味があるのでしょうか。締めてほしいのはそこではなかった。管理してほしいのはそこではなかった。
伊原さんの野球は結果を残せませんでしたが、田辺コーチには引き継ぐべきところは引き継いでほしいと思います。目指す方向自体は100%の間違いではなかったのですから。