2014/09/16(火)PyCon JP 2014 2日目レポート #pyconjp

2014/09/16 23:10

PyCon JP 2014のカンファレンス2日目のレポートです。

基調講演/西尾泰和さん(動画

サイボウズ・ラボのエンジニアで、『コーディングを支える技術』でも知られている西尾さんの基調講演。

Pythonでのワンライナーの話でひとしきり笑いを取ったあとは、人間を増強することについてのお話が始まりました。

人間の増強には人工物、言語、方法論、教育の4要素があること。ものごとに詳しくなればなるほど、バイアスがかかって逆に見えなくなる領域があること。明らかに知っている領域と明らかに知らない領域の間に、不明な(知らないことを知らない)領域があること。知っている領域をはっきりさせることで、そのすぐ隣の盲点に気づくことができること。

大学時代に学んでいたことを思い出すようなお話でした。終わったあとは感動してしばらく動けませんでした。こういう話を15年前に聞きたかった。というわけで、SJ学部の後輩の現役生はリンク先の動画を見ておくこと。まぁ、後輩が何人このブログを見ているかわからないけどw

ジョブフェア

エンジニアを求人している各社の技術担当者のパネルディスカッション、そして、そのあとは企業と個人の対話の機会を設ける場でした。

少し悲しかったのが、パネルディスカッションに参加されたどの企業もリモートでの勤務を採用していなかったこと。一部の会社さんにおいては、試したけれど上手く行かずに廃止しているそうです。やっぱりそういうものなのかー。

私は膝を痛めているので、恒久的な在宅勤務というよりは、梅雨時や冬場の歩けそうにない日はリモートで働ける環境を求めているのですが、そうやって「試したけど駄目だった」という話を聞くに、これは贅沢な要望なんですかね……。

ランチ

美味しゅうございました。なんか変な生き物が写っているのはきっと気のせいです。

ネットワーク見学ツアー

インフラの各部について見学するツアーが開催されたので、私も参加させてもらいました。

インフラについては知識が浅いため、説明のすべてを理解できたわけではありませんが、プロフェッショナルの仕事ぶりは伝わってきました。

使ったケーブルはトータルで1キロメートルほどもあったそうで、それを混乱なく引き回すだけでも3時間というのは驚異的なスピードだと思います。月並みな言葉しか出てきませんが、本当に凄い。そして、その凄さにPyConは支えられているということがよく理解できました。

オフィスアワー

基調講演をされた西尾さんとお話しさせてもらいました。基調講演でも触れられていたモデルを作る話について、突っ込んだ話を聞き、また、アドバイスをもらうこともできました。

こういったオフィスアワーというのはとてもいい試みだと思います。今後も継続していってもらえると嬉しいです。

Pythonによる非同期プログラミング入門/Hironori Sekineさん(動画

オフィスアワーで盛り上がりすぎたため、少し出遅れて立ち見になってしまいました。Python 3.4から導入されたasyncioを中心とした、非同期プログラミングのお話。この仕組みが標準で取り込まれたということは、初日の基調講演で物議をかもした3を使うメリットになるよね?w

データ分析の世界へようこそ! ~マーケティングに活かせるPythonライブラリ~/池内孝啓さん(動画

データ分析の方法、というよりは、データ分析に臨むに当たっての心構えのお話と言ったほうがいいのかな。数式の意味を理解した上で道具は使うべし、というのはまったくその通りだと思いました。

Pythonではじめる野球プログラミング/Shinichi Nakagawaさん(動画

昨年までのメジャーリーグの成績をデータベースに流し込んで、BABIPやピタゴラス勝率を可視化するお話。その可視化の過程で使ったツールなどのお話も楽しく聞かせていただきました。今回はMySQLの接続に一番苦労されたそうで、PostgreSQL信者のワイ、高みの見物。

まとめで述べられた「好きなデータを好きな言語でHackすると楽しいよ」というのは素晴らしい言葉だと思いました。また、質疑応答での「アダム・ダンのBABIPを見せてください」という要望に一部マニアが沸く一幕もありましたw

ライトニングトーク(動画

先ほどの野球プログラミングの続きで「アダム・ダンアダム・ダン率」に爆笑。だからさっきは見せてくれなかったんですねw そのあとも面白い話が続きましたが、時間をオーバーする方も多く、短い時間にまとめるのは発表慣れしている人でも難しいんだなーと感じました。

まとめ

楽しかったです。しかし、楽しかったで終わらせてはいけません。初日の基調講演でいわれたこともありますし、より良いPython3に貢献できるように頑張ります。