2005/12/25(日)有馬記念
勝って当然と思われるほど圧倒的な人気の馬がいて、どうしてもどうしてもG1に届かない馬がいて、その馬が普段より前に出て早めに仕掛ける思い切った競馬をして、その作戦が奏功して人気馬の追撃を振り切ってゴール板を通過して、でも拍手よりもどよめきの方が大きくて。そんなグランプリ。
メイショウドトウが悲願のG1初制覇を果たした2001年の宝塚記念を思い出しました。もちろん、テイエムオペラオーとディープインパクトの残した実績の質は全く違うものですし、ハーツクライはディープインパクトの後塵を拝し続けたわけではありませんから、細かい部分では全然違うんですけど。
「空気読め」と言う人も多いですが、ハーツクライ、ルメール騎手、G1制覇おめでとうございます。タップダンスシチーが楽な感じで逃げる形になり*1、展開に恵まれた面もありましたが、ジョッキーの作戦も、それに応えた馬の力も見事なものだったと思います。
で、「空気読め」の件について。
しかし。それ以前に競馬はスポーツであり、勝利を目指すことはその根本にある真理です。
空気? [yossy’s 駄文集 - ヒビノカケラ:2005-12-25
禿同……で終わらせるのもアレなんで、もうちょっと思うところを書いてみましょうか。
スポーツにおいて「空気読め」という発言は唾棄すべきものであり、勝った者にも、敗れた者にも失礼な言葉であると私は思っています。感動が約束されたものが観たい方は、スポーツ以外のメディアでお楽しみください*2。スポーツの魅力とは、優れた技術やパワーを堪能するいうこともありますが、最大の魅力は結果が分からない、そしてその結果のために各人が全力を尽くす姿にあるのですから。
最後に、無敗という重圧から解放されたディープインパクトの来年以降の更なる飛躍を期待しつつ、私の買った馬券のことは忘れることにしましょう。いや、ディープを負かすとしたらタップの逃げ切りくらいしか思いつかなかったんですよ……。