2013/06/16(日)反発係数の基準値の下限を目標にすること自体が間違いである

2013/06/15 24:28
統一球の検査結果が公表されました。 [NPB統一球検査結果を公表、昨年下回る - プロ野球ニュース : nikkansports.com](http://www.nikkansports.com/baseball/news/f-bb-tp0-20130614-1142716.html) ネット上の記事には詳細な数字は挙がっていませんが、紙面のほうの同じ記事には2009年から今年まで検査結果が載っています。 2011年、2012年の43件のサンプルで基準値に届いたのがわずかに4件だけ。この件に関してはコミッショナーに報告が行くことになっているそうなので、さすがに知らなかったということはあり得ないでしょう。これを2年間放置してただけでもコミッショナーの駄目さが浮かび上がってくると思います。 また、今年の12件のサンプルについては、基準を満たさなかったのは4月10日の西武ドームだけということで、ボールの変更は効果を上げていることがわかります。基準値以下が12分の1は多すぎる気もしますが、サンプル数が少ないので、こちらに関してはもう少しデータが揃ってから改めて見直したいところです。 しかし、記事全体を読んでみると、そもそもの統一球の前提がおかしいような気がします。 > 1球ごとに多少の品質のばらつきが出るのは避けられないため、反発係数には公差(許容範囲)が認められおり、統一球では基準値の下限0・4134の上下0・01までが許容範囲となる。個別の数字が下回っても、6球場の平均が公差の中に収まれば問題ないとされる。 > > [NPB統一球検査結果を公表、昨年下回る - プロ野球ニュース : nikkansports.com](http://www.nikkansports.com/baseball/news/f-bb-tp0-20130614-1142716.html) これって単にNPBが「反発係数0.4134の製品を作れ」と指示し、ミズノがそれを忠実に守っただけ、ということになりませんか? 上下0.01の公差を認める前提であれば、ミズノはその範囲内の製品を納入しているわけですから。上下の公差を認めるのに、基準値の下限の製品を作るよう指示したNPBは阿呆としか言いようがありませんが、ミズノを責めるのも筋違いなような気がします。 公差のことを考えれば、飛ばないボールを作ろうとした場合は反発係数0.4234の製品を作るように指示することになるわけですが、そうなると公差を含めた反発係数の範囲は0.4134~0.4334となります。そうなると、実は基準値の0.4134~0.4374とあまり変わらなくなります。 そもそもこの基準値0.4134~0.4374って、この中間を狙って作ったらこの範囲に収まりますよ、っていうくらいの思惑で設定された数値なんじゃないかなーと思います。公差0.01が妥当なものなのかどうかはわかりませんが、妥当なものだとしたら、人間の力では基準内で飛ぶ飛ばないをコントロールするのは難しい、ということになりそうです。この件も充分に検討する必要があると思います。 また、今回は2010年以前のデータも載っているのですが、統一球導入前にも基準値を下回っているサンプルがあります。2011年以降は球場が公表されているのに、それ以前は公表されていないのはなぜなんでしょう。 **公表できない理由でもあるのでしょうか** 。隠すと憶測が憶測を呼んで面倒なことになると思いますけど。