2015/09/19(土)西口文也投手、現役引退を表明

2015/09/19 21:54

一昨年から覚悟はしていました。しているつもりでした。しかし、いざそれが現実のものになってしまうと、簡単には受け入れられそうにありません。

西武西口が現役引退表明「気持ち的にはスッキリ」 - 野球 : 日刊スポーツ

一昨日に現役続行の意向というニュースがあり、それで完全に安心していただけに、この発表には非常に驚かされましたし、すぐには信じることができませんでした。しかし、複数のスポーツ紙で報じられていますし、そもそも「表明した」という書き方ですから飛ばしは考えにくいです。信じたくなくても信じざるを得ませんでした。

私は今年の5月28日の西口さんの登板試合(今思えば、一軍での最後の真剣勝負の試合になりました)を見にいきました。その試合は4回4失点という結果に終わりましたが、数字から受ける印象よりは内容は良かったです。苦手の東京ドームでこれだけ投げられるのであれば、いずれ勝ち星もついてくるだろうと思いました。

しかし、チーム事情でそのあと登録抹消されると、そのあと二軍で結果を残してもまったく一軍からお呼びがかかりませんでした。東京ドームでのピッチングを見ていただけに、ファンとしては非常に歯がゆかったです。まだできるはずなのに。まだ勝てるはずなのに。

とはいえ、首脳陣に文句を言ったところで始まりません。西口さんが引退を決意したということは、もう投げられないということなのでしょう。お疲れ様でした。

西口さんは私にとって初めての「デビュー当時を知っているライオンズのエース」です。ですから、とても思い入れが強いのです。

最初は「東尾の和歌山贔屓か」と思いましたが2年目に大ブレイク。1997年には先発にリリーフにと獅子奮迅の活躍で優勝に貢献。2005年にはノーヒットノーラン未遂&完全試合未遂を含めて17勝5敗、防御率2.77のキャリアハイ。そして、5年間低迷したあとの2011年の復活劇。こんなに長い間ワクワクさせてくれた選手はなかなかいません。

このブログを書き始めてから、何度も何度もエースたちに苦言を呈してきました。

「エースは勝つのが仕事です。相手に先に点をやってはいけません」

その相手は松坂であり、涌井であり、岸であるわけですが、そのときに念頭にあったのは西口さんのピッチングでした。大事な試合で負けない、エース同士の投げ合いで負けない。西口さんこそ、私にとってのエースの理想像だったのです。

200勝を達成してもらいたかった、いずれは本当にノーヒットノーランを達成してもらいたかった、もちろんそういう思いがないわけではありません。しかし、実際に引退の報道に触れると、そんなことはどうでも良かったことに気づきました。もう西口さんのピッチングを見ることができない、そのことが本当に悲しいのです。

西口文也投手、今までたくさんの夢を見せてくれて、本当にありがとうございました。あなたのような偉大なエースがライオンズにいたことを俺は誇りに思います。