2007/07/12(木)はて☆すた
昨日から「はてなスター」という新機能がはてなダイアリーに実装されました。この機能は、各エントリに表示された[☆+]という図案のボタンをクリックすることで、そのエントリに対して☆をつけることができるというものです。
この☆は「読んだよー」とか「面白かったよー」という意味でとらえればいいと思います。既存のシステムで言うと、「Web拍手」に近いかもしれません。コメントを書くほどではないけれど、なんらかのリアクションをブログ主に伝えたい、そんな時に便利な機能だと思います。
さて、はてなスターのより詳しいことについては、下記のリンク先の「はてなスター日記」をご覧いただくとして。
http://d.hatena.ne.jp/hatenastar/20070711/1184149175
このはてなスター日記が大炎上しているんですよね。どうやら、炎上の理由は大きく分けて以下の2つのようです。
- 誤ってつけてしまった☆を消すことができない
- はてなスター機能自体を無効にすることができない
そして、以下の文章から分かるように、運営側はしばらくこの機能を修正する気はなさそうなことも炎上に拍車をかけています。
昨日始まったばかりのサービスですし、あと1週間くらい様子を見て考えたいと思います。よろしくお願いします。
はてなスターを消したい [はてなスター日記:2007-07-12
さて、それぞれの項目について私の思うところを書いてみたいと思います。まずは「誤ってつけてしまった☆を消すことができない」について。
私からすればよく分からないボタンを押してしまうという神経が信じられないんですが、職業柄、ユーザーはその操作が可能であれば必ずその操作を実行しようとすることは痛いほどよく知っています。だってWebアプリなのにブラウザを×ボタンで閉じようとするんだぜ! ふざけんなよ!
……すみません、思わず仕事の愚痴を吐き出してしまいました。
私は☆を消す機能など必要ないと思いますが、消したいという気持ちも分かります。ただ、それは神経質すぎるんじゃないかなぁ。別に間違って押したっていいじゃないですか、命まで取られるわけじゃなし。でも、これだけ反発されているということは☆削除機能はあった方がいいのかな。機能があっても必要なければ使わなければいいだけの話ですし。
ところで、自分のブログで[☆+]を押してしまった分は、うっかりさんランキングだと思えば幸せになれると思います。というわけで、みりすさんははてなQMA界トップクラスのうっかりさんということで。はてなQMA界ってえらい限定的ですけど。
続いて「はてなスター機能自体を無効にすることができない」について。
確かにこれは運営側のミスのような気がします。はてなダイアリーのメリットとして、はてなが提供する様々なサービスを組み合わせて自分好みのブログが作成できる、というものがあります。逆に言えば、必要のないサービスを使用しないことによって自分好みのブログが作成できるのです。コメントやトラックバックの可否さえ選択できるのに、はてなスターを無効にできないというのはこのメリットを台無しにしているように思います。
このEXIT_FAILUREでは、コメント、トラックバックは全て受け入れています。そして、私の判断でコメントやトラックバックを削除したことは一度もありません。これからもないでしょう*1。それは、読者の方からの反応を見たい、そして、その反応に対する反応を見たいからに他なりません。
ただ、全ての人がこのように思ってブログを書いているわけではありません。一方向からの伝達機能があれば充分という人もいます。そのような方々にとって、はてなスターのような機能はあまり必要がない、場合によってはむしろ邪魔になるでしょう。そのような方々にまでサービスを押し付けるのはまずいと思います。
運営側としては全ての人にこの機能を使って欲しかったのでしょうが、これは先走りすぎですね。機能自体を無効にする手段は必要だと思いますし、そうすることによって受けるデメリットは何もないと思います。機能が必要であれば無効にしなければいいだけの話ですから。
しかし、はてなスター日記につけられたコメントを見ていて思ったのですが、みんなカルシウムが足りませんね。私も2004年からのはてなユーザーなので、最初期からいるわけではありませんし、別に古参ぶるつもりはありませんが、昔のはてなってもっとまったりしていたと思うんですよね。今回は運営側が下手を打った部分もありますが、昔だったら「いらない人にまで強制的に機能をつけることはないでしょ。この機能はオプションにしてもらえませんかね? あははー」で済んでいたような気がします。いつの間にこんなに殺伐としたコミュニティになってしまったんでしょうか……。
長々と書いてきましたが、このはてなスターという機能、導入の仕方は大失敗だったと思いますが、機能としてはとてもいいものだと思います。
はてなスターでは基本的に他人を褒めることしかできません。コメントをつけるにはともだちになる必要があり、ブログを読む人の9割が「面白い」と感じているの に、実際に目に見えるのは残りの1割の人の批判的な意見ばかり、というような事は起こりにくくなっています。
ブログをいっそう楽しくする「はてなスター」をリリースしました [はてなスター日記:2007-07-11
この発想は本当に素晴らしいと思うんですよね。最近、QMAプレイヤーの日記が、どんどんブログからmixiに流れていっているじゃないですか。別にmixi自体を否定する気は全くありませんが、どれだけの人がポジティブな理由でmixi日記に流れているのか疑問なんですよね。「友達だけに見てもらえればいい」と「友達以外に見られたくない」って全く別物なんですよ。前者であればそれはSNSの本来の使い方なのでしょうが、後者の理由でブログからSNSに移行するのであればそれはとても悲しいことです。
2ちゃんねるで叩かれた途端にブログが閉鎖され、あるいはブログが更新されなくなるというのはよくあることです。私のような小物ですら叩かれるのですから、妬みの対象になりやすい上位ランカーの方々はもっと辛いと思います。ただ、ネガティブな意見に振り回される前に考えて欲しいことがあります。
誰かのブログを読んで面白いと思った時、あなたはどのように行動しますか?
コメントを残すこともあるでしょうが、ほとんどの場合は何もしないと思います。理由は「面倒だから」「気の利いたことを書けないから」「面識がないので書きづらいから」……など、さまざまなことがあるでしょう。でも、結局書かないことの方が多いんです。
では、コメントがつかないブログはつまらないのでしょうか? そんなことはありません。きっと、簡単に「読んだ」「面白かった」と伝える機能があれば、もっと反応が集まるはずなのです。そして、その反応があれば、少数の声の大きいネガティブな意見を「多数派」と勘違いすることはなくなるはずなのです。
私はこのはてなスターが広く受け入れられ、輪が広がっていくことを願ってやみません。
[2007-07-13追記]
「はて☆すた」ってキーワードになってるのかよ……みんな考えることは一緒ですね。
*1:もちろん、本当に消さなければいけないような公序良俗に反するものや個人情報に関わるものに関してはその限りではありません。