2008/07/27(日)星野監督がタイブレーク制導入に激怒 [nikkansports.com]
http://beijing2008.nikkansports.com/baseball/p-bb-tp0-20080727-388665.html
QMA2以降、四文字で何度も入力してきた「IBAF」って、日常生活の中で今日初めて聞きましたよw
……ということが言いたいわけではなく、IBAFがどこまで吟味してこのルールにしたのか疑問です。というか、ろくに吟味をせずにこの制度を導入すると決めたように思います。
日本では社会人野球でタイブレークとして一死満塁から、軟式野球では無死満塁からスタートする「特別延長戦」という制度があります。いずれも満塁であり、送りバントはあり得ませんし、スクイズをするのも難しい状況です。「打つしかない」というのは味気ないものではありますが、そもそも無理矢理試合を終わらせるための制度に、戦術の深みやら味わいやらを求めても仕方がないでしょう。「野球らしく」決着をつけるのであれば、それこそ勝負が決まるまで延長戦を延々と続けるしかありません。
さて、「満塁」で「打つしかない」となれば、得点には相当ばらつきが出るはずです。犠牲フライで1点、ヒットで2点、長打で3点、ホームランなら4点。逆に内野ゴロならゲッツーで一瞬にしてチャンスが潰えます。これなら何イニングも延長を続ける必要はなく、あっさり勝敗が決するものと思います。社会人野球のタイブレークは色々批判もされていますが、「試合を短縮する」という観点ではなかなかいい制度だと思います。いや、個人的には大嫌いな制度なんですけどね。それはそれ。
で、今回のオリンピックで導入されるタイブレークは無死一二塁からのスタートだそうで。この場合、まず「送りバントをするかしないか」という戦術上の選択が存在します。そして、後攻チームは先攻の得点を知った上でその選択ができます。あまりにも不公平ではないでしょうか。
もちろん、通常の延長戦でも後攻チームは先攻の得点を知った上で攻撃ができますから、戦術を考える上ではアドバンテージがあります。ただし、通常の延長戦ではチャンスを作れるとは限りませんから、そこまで問題になることはありません。チャンスができたときには「打つしかない」というアウトカウントになっているケースも多いですし。
テレビ中継のため、タイブレークが必要だというのは理解できます。ただ、その導入の発表は唐突に過ぎましたし、ルールの吟味も足りていません。特定の国に有利なルール変更ではありませんから、「勝負」という観点では大騒ぎするほどのことではないのでしょうが、いざ延長が長引いてタイブレークが適用されたら……その試合を楽しんで見ることは難しいと思います。