2014/01/09(木)労働者派遣法の改正により特定労働者派遣制度が廃止へ

2014/01/09 22:58

SIerのビジネスを支えてきた特定労働者派遣制度が廃止の方向に向かっているようです。

News & Trend - 「特定労働者派遣」制度が廃止へ:ITpro

この記事で説明されていることだけで判断すると「弊社終了のお知らせ」です。ちぃといつ先生の次回作にご期待ください。

私は社長に「5年後は俺らほとんど40歳オーバーなんだけど今までどおりで上手く行くと思ってるの?」と言い続けてきました。しかし、どうやら5年も持たずに経営方針の転換を強いられそうです。ほかの小さな規模の会社さんは同じような状況だと思います。

現実問題としては、記事にもあるように偽装請負が横行するのでしょう。もともと多重派遣の禁止や事前面接の禁止を破ることにためらいを感じていない業界です。また、そもそも現時点でも偽装請負がないわけではありません。罪を罪とも思わず、悪事に手を染めることでしょう。

ただ、そろそろ考えたほうがいいと思いますよ。

私がこの業界に入ったころは、SEにとっての選択肢はそれほど多くありませんでした。また、ITバブルが弾けていなかったこともあり、終身雇用の夢が完全になくなってもいませんでした。そんな状況であればこそ、社員はある程度のことは目をつぶり、飲み込むことができたのです。

しかし、今は残念ながら00年代ではなく10年代です。

完全にイコールではありませんが、Web業界やソーシャルゲーム業界のように、似たような仕事をすることができる業界も増えています。また、SIでも派遣を行わないスタイルで結果を出している会社さんも増えています。能力のある人の選択肢はずいぶんと増えているのです。

この業界にしがみついている必要のない人間が、素直に違法行為に手を貸すとは思えません。そして、辞めるときにしかるべき機関に何も言わずにいるとは限りません。今までとは時代が変わっている、ということだけは認識していただきたいと思います。

しかし、労働者が不利な立場である状況を改善したいという理想はわかりますが、あまりにも現状とマッチしていない気がします。誰得なんだ、これ……。