2013/06/13(木)統一球をめぐる奇妙な物語

2013/06/12 24:23
11日に発覚した統一球問題。コミッショナーが謝罪会見を開きました。 [加藤コミッショナー謝罪「混乱招いた」 - プロ野球ニュース : nikkansports.com](http://www.nikkansports.com/baseball/news/f-bb-tp0-20130612-1141617.html) 問題が発覚したのが11日の話なのに、会見が行われたのが6試合がすべてナイターで行われている12日の20時ということ自体、誠意がまったく感じられませんが、それはおいておくとして。 コミッショナーは以下のことをコメントしています。 1. 昨日まで全く知りませんでした 2. 不祥事ではないと思う 3. もし私がその事実を知っていれば、公表していた 1の真偽はわかりません。そして、1の真偽がわからない以上、3の真偽もわかりません。しかし、それを信じることができるかと言われれば、「信じられるか馬鹿野郎」というのが素直な感想です。 では残った2はどうなのか。 そもそも、今回は何が問題なのでしょうか。それがわからないと不祥事なのかどうかも判断できません。今回問題になっているのは、以下の2点が挙げられるはずです。 1. こっそりボールを変えていたこと 2. 去年のボールが公式球の基準を満たしていなかったこと こっそり変えていたのは論外です。しかも、黙っていただけではなく、「変わっていない」と明確に嘘をついていたわけですから。下田事務局長の発言が二転三転していますが、二転三転しているだけに、コミッショナーがこの件を知らなかったと言うのはちょっと無理があると思います。 また、それ以外にも2の問題があります。というか、考えようによっては2の問題のほうが重大なのです。だって、去年我々が見せられていたのはプロ野球の試合ではなく、「プロ野球のような何か」の試合だったということになるわけですから。まあ、これはとらえ方の問題ですし、世間ではあまり問題視されていないようなので、ここではあまり踏み込まないことにします。 どちらにしろ、これらに関して弁解の余地はないと思います。どう考えても不祥事でしょう。もちろん、知らずにプレイしていた選手たちには何の責任もありません。そうなると、そのボールに署名が刻印されている人が責任を取るのは当然のことではないでしょうか。 ここで「責任を取る」と言いましたが、これはコミッショナーを辞めるということではありません。いや、もちろん辞めることも含んでいるんですけど。 今回のような問題が起きるのはなぜか。もちろん、球界の体制が悪いのですが、それをどうやって改革していくのか。そのあたりをきっちり考えて、実践してもらいたいと思います。もちろん「今後チェック体制を強化していく」などという意味のないコメントで終わりにするのは駄目ですよ。 この10年ほどの間に、ファンを失望させるような事件がいくつも起こりました。合併騒動がありました。裏金問題がありました。東日本大震災後の強行開幕騒動がありました。WBCの参加に向けてのゴタゴタがありました。もうこれ以上私たちファンを裏切るのはやめてください。お願いします。