セブンスドラゴン2020-IIを表裏ともににクリアしたので感想を書きたいと思います。
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以下、ネタバレも含みます。
さて、今回は以下のようなパーティ構成で臨みました。
* パイソン(サムライ:日笠陽子)
* ルビー(デストロイヤー:豊崎愛生)
* パール(ハッカー:竹達彩奈)
はいはい、けいおんけいおん。
新しく追加されたアイドルを入れてみたい気もしたのですが、最初の起動時に引き継ぎアイテムとしてガトウのバンダナとかチョコバーとかをもらったので、これは前作をクリアしたときのメンバーにしたほうがいいのかなーと思ってこの構成にしています。
#### 世界観
前作で真竜ニアラを倒して平和が訪れたあとの世界に、新たな真竜フォーマルハウトが襲来した……ということで、ほぼ前作と変わりがありません。
当たり前の話ではありますが、前作の続きということは、リンが最初からデレ状態であり、SKYとは最初から仲良しなわけです。ただ、前作のSKYのような「最終的な目的は同じはずなのにぶつかりあわなければいけない」というポジションの集団としてSECT11が投入されており、ストーリー的な起伏には一役買っています。
また、ルシェ、竜殺剣など、DS版無印に通じる種族、アイテムも出てきており、前作のファンだけではなくDS版プレイヤーも懐かしい気分に浸れるのではないかなと思います。懐かしい、とはいっても時系列的にはDSのほうが未来の話なんですけど。
しかし、前作で真竜を倒せるほどに成長したムラクモ13班を弱体化させる必要があったのでしょうけど、「前作の激闘の後遺症」ってのはどうなんでしょうね。これだと、続編が出るたびに後遺症に悩まされることになるぜw
#### リソースの再利用
世界観が同じということで、マップや敵キャラ、音楽が前作から使い回されています。気にする方は「手抜きだ」と感じるかもしれません。
私はマップや音楽についてはそこまで気にはなりませんでしたが、音声の使い回しが中途半端すぎるところはどうにかならんのかと思ってしまいました。
たとえば豊崎デストロイヤーの奥義のセリフですが、前作では「ほんとにほんとに危ないからねー!」→「(着地と同時に)ズドン!」だったのが、今作では「ほんとにほんとに(ここで着地)危ないからねー!」になっていて、使い回すんなら違和感がないようにきっちり使い回せよと思ってしまいました。
また、竹達ハッカーのAスキルコーラーの「いいことたくさんありますように!」も前作の使い回しですが、今作では最後の「に」がぶつ切れになってしまっています。私が気づいたのはこれだけですが、全体を見てみればもっとあるんじゃないかなーと思います。
#### フォーマルハウト
馬鹿なんじゃねーの、お前。
ニアラが人間を舐めくさっていたせいで破れたのに、まったく対策せずに同じようなやられ方をしている。同じ轍を踏んでいるだけ、フォーマルハウトのほうがよりダサいです。こんな阿呆がラスボスって言われてもなー。
「人間は我々の餌である」という煽り方もニアラと変わらず、それ自体はドラゴンの目的でもあるので間違いではないのですが、申し訳ないがそれでは前作をやっているプレイヤーの怒りはかきたてられません。もう少し捻ってほしかった。
近年まれに見る駄目なボスだったと思います。
#### 裏ダンジョン
雑魚が強すぎます。もちろん、裏だから強くて当然ではあるのですが、シンボルエンカウントより苦戦するのはバランス調整のミスとしか言えません。もらえる経験値がスカイタワーと大差ないことを考えても、これは狙ったバランスではないと思います。
また、ストーリー的な面では、アイテルに失望させられました。
エメルがムラクモ機関との関わりを通じて精神的に成長しているのに、アイテルは相変わらずタケハヤのことしか見えていない。タケハヤがニアラとの戦いでは重要な役割を果たしたのは間違いありませんが、今回は傍観者どころか、影すら感じられない存在でした。いちいち引っ張り出してくるなよ、というのが正直なところです。
こういうのを見せられると、DS版で語られるドラゴンとの戦いの歴史は、タケハヤが好きで好きでたまらないアイテルが捏造したものなのではないかと思ってしまいます。
#### 総評
前作の進化形としてみた場合、まだまだ物足りない部分はあるものの、とても面白い作品ですし、次回作が楽しみになる作品です。
しかし、これまでも挙げたように、音声の扱いやバランス調整などで細かいところで粗が目立つのも気になります。使い回しが多いことを考えても、予算があまりつかなかったのかなーと邪推してしまいました。
また、前作からの流れや、DS版無印に繋がる流れというものを考えた場合、語られる物語に強い違和感を覚えるのも確かです。気にならない人は気にならないのでしょうけど……。
[前作のレビュー](http://short-circuit.jp/hatena-blog/20111213231528)では「紛れもない名作」と書きましたが、残念ながら今作はそこまで絶賛はできません。もちろん、前作同様、サイキックの下乳に高い価値があるのは間違いありませんが。